2012-05-31(Thu)
異物について
お子さんでは小さなおもちゃの部品や消しゴム、ピーナッツなどの豆類を自分で耳や鼻に詰めてしまったり、魚の骨がのどに刺さったり、虫が耳に入ってしまって出てこなくなってしまったなど、耳鼻科ではこれら異物の除去を行うことがしばしばあります。
重要なポイントは御自身で何とか取ろうと無理をしないことです。
またお子さんの場合、あわててお子さんを叱らないようにしてください。いきなり怒るとビックリしてひっくり返ったり泣き出したりして危険です。
耳で言いますと、鼓膜の奥の内耳という神経の部分を傷つけると神経性の難聴や耳鳴り、めまいを合併し、異物除去だけではなく特殊な治療が必要になることがあります。
鼻、のどでは空気の通り道がふさがれると息ができなくなり窒息し命にかかわることもあります。また、鋭利な物でのどや食道に傷がつくと縦隔という肺と肺の間の部分に感染が生じ致命傷に至ることもあります。(よく魚の骨がのどに刺さった時にご飯を丸飲みするよう教えられた方も多いと思いますが、傷が生じる可能性があるので絶対行わないでください)
魚の骨がノドに刺さった場合や、耳や鼻に物を詰めて取れなくなってしまったり、耳に虫が入った場合などは耳鼻咽喉科で取る事ができます。
命にかかわるようなものもありますので、緊急性のあるものはすぐに救急車で対応していただき、そのほかの異物に関しましては速やかに耳鼻咽喉科を受診していただきたいと思います。
[名古屋市名東区 一社 耳鼻咽喉科]
2012-05-21(Mon)
中耳炎・日常生活での注意点③
鼻を常に良い環境へ
鼻水がある時は鼻をすすらないようにしましょう。また正しい鼻のかみ方で、鼻の環境を良くしていく事がとても重要になってきますので、当院では積極的に鼻かみ指導を行う予定です。小さなお子さんでも教えると、上手に鼻かみできる子が多いです。
鼻の環境が良くなってくると、中耳炎の治りも早い場合が多く、再発を防ぐ事にもつながります。毎日耳鼻科に通って鼻の環境を良くしていく事も大切ですが、小さいお子さんを連れ、ましてや兄弟がいる場合耳鼻科に通うだけでも一苦労だと思います。うちは3人いますので、病院通いはとにかく大変です。ご家庭の環境にもよると思いますが自宅でできる事をしっかり発信し、最低限病院に通っていただく事で病気を治せる事が理想だと考えております。
最低限とはいえ、必要であると判断した場合の診察と検査は医師としてのプライドを持って行なっています。必要な処置や検査をしないと誤診や症状の重症化、重大な疾患を見逃す事にもつながります。いつまでも患者さんの立場にたった、良質の診療を提供していきたいと思います。
[名古屋市名東区 一社 まえはら耳鼻咽喉科]
2012-05-21(Mon)
中耳炎・日常生活での注意点②
カゼの予防
カゼをきっかけに中耳炎になる事が多いので、インフルエンザやRSウイルスも含めカゼの予防をする事が大切です。カゼの流行時には特に手洗い、うがい、マスクをしっかりしましょう。保育園や託児所の生活では予防をしていても子供同士の接触が多いため、感染のリスクが高くなります。
薬は勝手に中断しない
中耳炎の症状が治ると自己判断でお薬をやめてしまう方が意外に多いです。症状がなくなっても、中耳炎が治ったかどうかは中耳をみる事や鼓膜の動きをみる事でしかわかりません。中途半端な薬の服用は中耳炎を長引かせる原因にもなりますし、耐性菌を残す事にもなりますので、決められた内服をきちんとしていただきたいと思います。
[名古屋市名東区 一社 まえはら耳鼻咽喉科]
2012-05-21(Mon)
中耳炎・日常生活での注意点①
中耳炎の原因のほとんどは鼻の悪い環境(鼻水・鼻づまり)です。
経験上、鼻の環境がよくなってくれば、鼻に通じる耳の病気も良い方向に向かっていきます。
逆に一度中耳炎が治った場合でも、鼻の環境が悪くなればまた中耳炎を引き起こす可能性が高いと言えます。
以上の事から、中耳炎にならないようにするには鼻やのどに炎症を起こさないようにすることが大切です。カゼをひいてしまったら、できるだけ早く治して鼻水、鼻づまりを長引かせないようにすることが大切です。
乳幼児・授乳時での注意点
中耳炎は2歳未満が最もかかりやすい年齢ですので、お母さんが子供をよく観察して、「汚い鼻水が止まらない、耳に手が行く、耳をよくさわる、不機嫌が続く、寝つきが悪い、夜中によく起きる、原因不明の発熱が持続する」などは中耳炎を疑わせる重要な症状と考えられますので、早めに耳鼻科へ受診するようにしましょう。
授乳はできるだけ寝たままでするのを避け、お子さんの体を起こした状態で授乳しましょう。授乳後に行うゲップをさせるのが不十分な場合にもミルクが逆流して中耳炎になる事がありますので体勢やゲップにも気をつけていただけると良いです。また、カゼをひいているときの指吸いやおしゃぶりは中耳炎の誘因になります。
[名古屋市名東区 一社 まえはら耳鼻咽喉科]
2012-05-14(Mon)
滲出性中耳炎について
鼓膜の奥に液体が溜まるのは急性中耳炎と同じですが、耳の痛みや発熱といった急性感染症状のない中耳炎をいいます。
耳と鼻をつなぐ管の空気の通りが悪く、閉塞している場合(耳管閉塞)にうまく換気ができず起こります。
小児では急性中耳炎に続いて発症することが多く、アデノイドや副鼻腔炎による耳管閉塞も原因となってきます。
症状は?
軽度難聴です。
大人の場合は耳が塞がった感じ、難聴、耳なり、自分の声が頭にひびくと言った症状が多いです。
お子さんの場合は自覚症状がほとんどなく、耳の症状を訴える事がないのですが、テレビの音を大きくする、呼んでも返事をしない、大きな声で話をするなどで、まわりの大人が気付く事が多いです。耳の軽い痛みで受診されるお子さんも時々います。
どのように診断するの?
耳の中をみる事で判断できます。鼓膜の色やツヤが鈍くなるという所見が認められます。ティンパノメトリーという鼓膜の動きをみる検査でも診断できます。
治療は?
耳の中の液体を取り除き、再び溜まる事を防ぎます。
耳管からの空気の通りをよくすること、中耳内の空気の入れ替えをよくすることが大切です。
具体的には、原因となる鼻・のどの治療(吸引・吸入・内服)、耳管通気法(鼻から専用の管を用いて耳管に空気を通し中耳の換気を行う治療)です。抗生物質を少量長期投与する治療もあります。場合によっては鼓膜切開や鼓膜に小さなチューブを留置するなどの外科的治療を行うこともあります。
診察においては鼓膜の状態をよく観察し、聞こえの程度や鼓膜の動きをみる検査をします。滲出性中耳炎になった原因がどこにあるか、中耳炎に合併するその他の症状があるかないかによっても治療が異なります。その状態にあった治療を考えていきます。
中耳炎の中には他に真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎といった病気もあります。
日常生活での注意点は後日upしていきます。
[名古屋市名東区 一社 まえはら耳鼻咽喉科]
2012-05-12(Sat)
急性中耳炎について
風邪が誘因となる事がほとんどです。鼓膜が赤くなる、膿で鼓膜が膨れるといった所見が認められます。
症状は?
発熱、耳の痛み、耳がつまった感じ、耳だれなどです。風邪をひいていて、そのあと耳が痛くなる場合は中耳炎である可能性が高いです。お子さんの場合、風邪をひいていて夜中に突然耳が痛いと泣き出し、しばらく泣き続けたあとまた眠っていくというかたちで発症する事が多いです。
どのように診断するの?
耳の中をみる事ですぐに判断できます。特別な検査はありません。
治療は?
細菌感染に対して適切な抗生剤の使用、鼻環境改善のための鼻吸引・吸入・内服も行います。痛みに対して解熱鎮痛剤の使用になります。必要と判断した場合鼓膜切開をして膿を出す治療を行うこともあります。鼓膜切開に関しては、「診察について」の中で述べています。日常生活での注意点は後日upしていきます。
[名古屋市名東区 一社 耳鼻咽喉科]
2012-05-11(Fri)
ホームページ開設しました
ホームページは右のリンクからご覧になれます。 電話番号など、まだ決まっていない点も多々ありますが是非一度ご覧ください
[名古屋市名東区 一社 耳鼻咽喉科]
2012-05-11(Fri)
中耳炎について
中耳とは鼓膜の奥にあるスペースのことで、鼻と中耳は耳管という管でつながっています。
中耳炎は風邪、鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)があって鼻の環境が悪い場合や、アデノイド(鼻の奥にある扁桃腺の仲間)が大きい場合などに発症しやすいと言われています。
乳幼児・小児に特に多く、多い理由としては小児の耳の構造にあり、生後3歳までに80%近くの乳幼児が少なくとも1度は中耳炎にかかると欧米では報告されていますので、注意が必要です。
お子様の繰り返す発熱の場合、気付かずに急性中耳炎になっている場合がよくあります。
風邪だと思って薬を飲んでいて、抗生剤を飲むとしばらくいいけれども、また熱がでてくるという場合には中耳炎がないか耳鼻科を受診する事も必要です。
また最近では抗生剤が効かない多剤耐性菌による中耳炎が増えてきており、中耳炎治療が難しくなっています。どの抗生物質があうかをうまく選択して使用するだけでなく、鼻吸引や吸入により、鼻の環境を良くしていく事が大切です。
自宅でできる鼻の環境を良くするポイントや指導なども当院ではパンフレットを使用し、しっかり指導説明していきます。
中耳炎の中でも多い急性中耳炎、滲出性中耳炎については後日アップします。
[名古屋市名東区 一社 まえはら耳鼻咽喉科]
2012-05-04(Fri)
副鼻腔炎について
いわゆる「蓄膿症」のことです。鼻の中のことを鼻腔(びくう)と言います。そして鼻腔の周囲に左右4つずつの空洞が存在します。頬にある「上顎洞(じょうがくどう)」、おでこにある「前頭洞(ぜんとうどう)」、左右の眼の間にある「篩骨洞(しこつどう)」、篩骨洞のうしろにある「蝶形洞(ちょうけいどう)」、これらを総合して副鼻腔(ふくびくう)と言います。これら副鼻腔内の炎症を副鼻腔炎と言います。
鼻の中とそれぞれの副鼻腔の間には小さな出入り口があり、その出入り口を通って普段は換気が行われています。この換気が悪くなると、副鼻腔の内部で炎症が起こり、膿がたまったり、粘膜が腫れて症状が起こります。
花粉症や風邪などがきっかけで、鼻の中が腫れたり、鼻水が多くなったりするとこの換気が悪くなり、副鼻腔炎に発展していきます。
・症状は?
黄色いドロッとした汚い鼻水がでたり、頬や頭が痛くなったり、微熱がでたり、ニオイが分からなくなったりといった症状が出現します。
鼻とつながっている耳やノドにも影響し中耳炎を併発したり痰や咳がでたりすることも多いです。
・どのように診断するの?
鼻の中の状態を診ることで判断できます。またレントゲンで、どの場所に炎症があるか確認することもできます。
・治療は?
たまった膿を取り除かなければなりません。そのためには鼻吸引・鼻吸入の処置が大切です。また抗生物質や鼻水を少なくする薬、炎症を抑える薬を併用し治療をしていきます。慢性化した場合、抗生剤を少量で長期に飲むことで良い治療成績が得られています。それでも改善しない場合手術をお勧めすることもあります。
できるだけ慢性化させないよう、花粉症や風邪などで鼻がつまったり、鼻水がではじめたら早めに受診し、鼻の中の環境を良くしていく事が大切です。
[名古屋市名東区 一社 耳鼻咽喉科]
2012-05-02(Wed)
鼻出血について
いつでもどこでもかまわず、鼻血ってでますよね。
私も友達の家におじゃましている時に子供が鼻血を出し、絨毯の上に血が・・・
大変焦りました
今でも一番下の子はよく鼻血をだします。
鼻の粘膜にも血管が走っていますが、鼻の入り口より1cmくらい中に入った、鼻を左右に分けている壁に特に血管が密集しています。そこから出血することがほとんどであると言われていますし、実際、経験上も圧倒的にそこからの出血が多いです。
特にお子さんの場合、無意識に鼻を触ってしまうことがあり、傷がついて出血するパターンが多いように思います。
では出血したらどうすればよいのか・・・?
まずはあわてないことです。先ほど述べたとおり鼻の入り口の真ん中の壁が出血点であることが多いので、まずは座って血が出ている方の鼻をしっかり押さえてください。(お子さんの場合は鼻を両方からしっかりつまむのがいいと思います)そして必ず下を向くようにしてください。口の中にたれてきた血は口からティッシュに吐き出して飲まないようにしましょう。
鼻血が出たら上を向くよう教えられたことがあるかもしれませんが、上を向くと血がのどの奥におりてしまい咳こんだり、多量出血の場合窒息を引き起こす可能性もあります。飲み込むと気持ち悪くなり嘔吐の原因になりますので、鼻血がでたら必ず下を向きましょう。
鼻の前方からの出血であればきちんと鼻を押さえることができていれば5~10分で出血は止まるはずです。それでも止まらない場合は後方からの出血が考えられます。後方からの出血の場合、自分で止める事ができませんので速やかに耳鼻科を受診してください。
3歳くらいになれば、お子さんでもしっかり鼻をつまんで押さえるように教えれば自分で鼻血をとめる事ができます。(当院でも積極的に看護師が指導します)
また鼻を触ってもいないのに、何度も繰り返す異常な鼻血では、頻度は少ないですが重篤な内科的疾患(血友病や鼻の癌など)がある場合がありますので、必ず病院に相談してください。もちろん当院でも相談にのります。[名古屋市 名東区一社 耳鼻咽喉科]