2013-01-31(Thu)
アレルギー性鼻炎(花粉症)について
皆様、こんにちは。
明日から2月に入りますね。当院も開院後3カ月目に入り、皆様に愛される耳鼻咽喉科を目指しスタッフ一同、日々努力しております。
さて、この時期多くの方が悩まされるのが花粉症ですね。今年は昨年の飛散量を大きく上回ると予測されています。
私自身はつい最近までアレルギーはないものと思っていたのですが、採血で調べたところスギ、ヒノキ、ほこりなどはじめ色々な物質にアレルギー反応があることが判明しました。(そういや、ほこりっぽいところに行くと鼻水、鼻づまりに苦しんでいたような・・・)これからのスギ花粉症が正直怖いです・・・。
というわけで、今回はアレルギー性鼻炎(花粉症)についてご説明いたします。
アレルギ-性鼻炎とは、抗原と呼ばれる原因物質(花粉、ホコリなど)が鼻から入ることを制限する体の防御反応です。人間は異物である原因物質(花粉、ホコリなど)が鼻から体の中に入らないように、くしゃみや鼻みずなどで原因物質を洗い流したり、鼻の粘膜を腫れさせてブロックしたりすることで鼻の中に入らないように調節しています。しかしそういった防御反応は過度になりすぎるとつらい症状となってしまいます。
アレルギーを引き起こす原因物質の種類によりおおまかに
・通年性アレルギー性鼻炎(ダニやホコリが原因であることが多い)
症状が一年中どの時期でも起こりうる可能性があります。
・季節性アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症):
花粉が飛ぶ季節にだけ症状が起こります。
原因植物の開花期:スギ:2~4月、ヒノキ科:3~5月、イネ科:5~8月
ブタクサ属:8~9月、ヨモギ属:8~10月に大別できます。
症状は主にくしゃみ・鼻みず・鼻づまり です。
診断は問診(症状をお聞きします)、視診(実際医師が鼻粘膜の状態を確認します。具体的には粘膜が腫れていないか、色調はどうか、鼻汁の量は多くないかを診ます)、検査(下記参照)で行います。
・検査:
1、 血液検査‐御自身が具体的にどのような原因物質に反応するかは、血液検査で抗体の検査を行うことによりわかります。
当院でももちろん検査することができ、2、3日で結果が出ます。
何に対して反応があるのかを知ることで後述するように対策を立てることが可能になります。
2、 レントゲン検査‐副鼻腔炎(俗に言う蓄膿症)を合併していないか確認する目的
で行うことがあります。膿のようなネバネバした鼻みずが多く出たり、ほっぺたや頭が痛くなったりするようだと副鼻腔炎を併発している可能性があるためレントゲン検査を行います。副鼻腔炎を合併している場合、副鼻腔炎の治療も必要となります。
アレルギー性鼻炎において根治療法(根本的に治す治療)は限られた施設でしか行っておらず、多くの施設では対症療法(症状を和らげる治療)が行われています。以下、対処法・治療法を列挙します。
① 抗原(原因物質)の除去
原因物質が鼻に入ることを減らすことにより症状の改善が期待できます。
例えば・・・
ダニ・ホコリ:排気循環式の掃除機・カーペット、畳の掃除・部屋の湿度、室温の調節
花粉(スギ・ヒノキなど):花粉情報で花粉の多いとき外出を控える・窓をしめる・外出時マスク、メガネの着用・帰宅時衣服、毛髪をよく払う・洗顔・うがいなどです。
病気に対して理解を深めていただき御自身が治療に参加している意義を実感していただく意味でとても重要なことであると考えます。
② 薬物療法
対症療法として内服・点鼻薬・点眼薬を使用していただきます。
特に季節性アレルギー性鼻炎に対して、花粉飛散2週間以上前から抗アレルギー剤を内服・点鼻することを初期投与あるいは予防投薬と言います。初期投与(予防投薬)を行うことで花粉本格飛散後に投薬を開始するより症状を軽減できると言われております。例えばスギ花粉症の場合、本格飛散開始日は例年2月中旬あたりですが、2月上旬あたりから予防投薬をすることでそのシーズンは症状を軽減できるというわけです。
他にも当院では行えませんが、長期的な減感作療法(原因となるエキスを少量ずつ注射し体に免疫を作る)という方法もあります。(最近では舌下免疫療法を行っている施設もあります)
③ 外科的治療
・鼻粘膜焼灼術(CO2レーザー使用):当院でも行っております。鼻の中にある下甲介というヒダをレーザーで焼灼することで粘膜の腫れを収縮させ鼻の通りを良くする治療です。主に鼻づまりに対して効果的です。(次回もう少し詳しく説明いたします)
・他にも当院では行えませんが、下甲介粘膜切除術(鼻の粘膜を削り通りを良くする)、鼻中隔彎曲矯正術(鼻の真ん中の骨の曲がっている部分を取り除き通りを良くする)、後鼻神経切断術(鼻みずの分泌に関わる神経を切断し鼻みずを減らす)といった治療法もあります。
まとめ;御自身がどのような原因物質に対して反応があるのか、それは一年中起こりうるものなのか、あるいはある季節限定で起こるものなのかをまず採血検査にて確認しましょう。そして御自身が取れる対策はどのような方法があるのか確認し対応していきましょう。そして薬物治療や外科的治療をどのように組み合わせて症状を緩和させていくかを医師と相談して治療していきましょう。
[名古屋市名東区 一社 まえはら耳鼻咽喉科]
明日から2月に入りますね。当院も開院後3カ月目に入り、皆様に愛される耳鼻咽喉科を目指しスタッフ一同、日々努力しております。
さて、この時期多くの方が悩まされるのが花粉症ですね。今年は昨年の飛散量を大きく上回ると予測されています。
私自身はつい最近までアレルギーはないものと思っていたのですが、採血で調べたところスギ、ヒノキ、ほこりなどはじめ色々な物質にアレルギー反応があることが判明しました。(そういや、ほこりっぽいところに行くと鼻水、鼻づまりに苦しんでいたような・・・)これからのスギ花粉症が正直怖いです・・・。
というわけで、今回はアレルギー性鼻炎(花粉症)についてご説明いたします。
アレルギ-性鼻炎とは、抗原と呼ばれる原因物質(花粉、ホコリなど)が鼻から入ることを制限する体の防御反応です。人間は異物である原因物質(花粉、ホコリなど)が鼻から体の中に入らないように、くしゃみや鼻みずなどで原因物質を洗い流したり、鼻の粘膜を腫れさせてブロックしたりすることで鼻の中に入らないように調節しています。しかしそういった防御反応は過度になりすぎるとつらい症状となってしまいます。
アレルギーを引き起こす原因物質の種類によりおおまかに
・通年性アレルギー性鼻炎(ダニやホコリが原因であることが多い)
症状が一年中どの時期でも起こりうる可能性があります。
・季節性アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症):
花粉が飛ぶ季節にだけ症状が起こります。
原因植物の開花期:スギ:2~4月、ヒノキ科:3~5月、イネ科:5~8月
ブタクサ属:8~9月、ヨモギ属:8~10月に大別できます。
症状は主にくしゃみ・鼻みず・鼻づまり です。
診断は問診(症状をお聞きします)、視診(実際医師が鼻粘膜の状態を確認します。具体的には粘膜が腫れていないか、色調はどうか、鼻汁の量は多くないかを診ます)、検査(下記参照)で行います。
・検査:
1、 血液検査‐御自身が具体的にどのような原因物質に反応するかは、血液検査で抗体の検査を行うことによりわかります。
当院でももちろん検査することができ、2、3日で結果が出ます。
何に対して反応があるのかを知ることで後述するように対策を立てることが可能になります。
2、 レントゲン検査‐副鼻腔炎(俗に言う蓄膿症)を合併していないか確認する目的
で行うことがあります。膿のようなネバネバした鼻みずが多く出たり、ほっぺたや頭が痛くなったりするようだと副鼻腔炎を併発している可能性があるためレントゲン検査を行います。副鼻腔炎を合併している場合、副鼻腔炎の治療も必要となります。
アレルギー性鼻炎において根治療法(根本的に治す治療)は限られた施設でしか行っておらず、多くの施設では対症療法(症状を和らげる治療)が行われています。以下、対処法・治療法を列挙します。
① 抗原(原因物質)の除去
原因物質が鼻に入ることを減らすことにより症状の改善が期待できます。
例えば・・・
ダニ・ホコリ:排気循環式の掃除機・カーペット、畳の掃除・部屋の湿度、室温の調節
花粉(スギ・ヒノキなど):花粉情報で花粉の多いとき外出を控える・窓をしめる・外出時マスク、メガネの着用・帰宅時衣服、毛髪をよく払う・洗顔・うがいなどです。
病気に対して理解を深めていただき御自身が治療に参加している意義を実感していただく意味でとても重要なことであると考えます。
② 薬物療法
対症療法として内服・点鼻薬・点眼薬を使用していただきます。
特に季節性アレルギー性鼻炎に対して、花粉飛散2週間以上前から抗アレルギー剤を内服・点鼻することを初期投与あるいは予防投薬と言います。初期投与(予防投薬)を行うことで花粉本格飛散後に投薬を開始するより症状を軽減できると言われております。例えばスギ花粉症の場合、本格飛散開始日は例年2月中旬あたりですが、2月上旬あたりから予防投薬をすることでそのシーズンは症状を軽減できるというわけです。
他にも当院では行えませんが、長期的な減感作療法(原因となるエキスを少量ずつ注射し体に免疫を作る)という方法もあります。(最近では舌下免疫療法を行っている施設もあります)
③ 外科的治療
・鼻粘膜焼灼術(CO2レーザー使用):当院でも行っております。鼻の中にある下甲介というヒダをレーザーで焼灼することで粘膜の腫れを収縮させ鼻の通りを良くする治療です。主に鼻づまりに対して効果的です。(次回もう少し詳しく説明いたします)
・他にも当院では行えませんが、下甲介粘膜切除術(鼻の粘膜を削り通りを良くする)、鼻中隔彎曲矯正術(鼻の真ん中の骨の曲がっている部分を取り除き通りを良くする)、後鼻神経切断術(鼻みずの分泌に関わる神経を切断し鼻みずを減らす)といった治療法もあります。
まとめ;御自身がどのような原因物質に対して反応があるのか、それは一年中起こりうるものなのか、あるいはある季節限定で起こるものなのかをまず採血検査にて確認しましょう。そして御自身が取れる対策はどのような方法があるのか確認し対応していきましょう。そして薬物治療や外科的治療をどのように組み合わせて症状を緩和させていくかを医師と相談して治療していきましょう。
[名古屋市名東区 一社 まえはら耳鼻咽喉科]