2013-03-26(Tue)
鼻レーザー治療について
皆様、こんにちは。
以前、アレルギー性鼻炎に対しての御説明をいたしました。
今回は外科的治療の一つであるレーザー治療についてご説明いたします。
当院にはCO2(炭酸ガス)レーザーがございます。
レーザー治療の目的は主に鼻閉(鼻づまり)改善です。鼻みずやくしゃみに対してもある程度の効果を期待することができます。鼻のアレルギー症状を軽減する治療であり、完全に症状が無くなるわけではありません。
方法ですが、まずレーザーによる痛みを軽減するため鼻の中を麻酔します。
その麻酔方法は通常の鼻処置の後、痛み止めと血管収縮(粘膜の腫れを減らし、出血しにくくする目的)を促す薬を帯状のガーゼに含ませ、それを鼻内に挿入し薬の効果が得られるまで10~15分お待ちいただきます。この処置を繰り返しもう一度行います。
その後、ガーゼを抜去しレーザー治療に移ります。
硬性鏡という棒状の細いカメラで鼻の中を観察しながら下鼻甲介という鼻の中にある粘膜ヒダをレーザーで蒸散させます。
理論上、レーザー治療後の粘膜修復過程における粘膜の線維化がアレルギー反応を引き起こすレセプターの減少や鼻腺の減少につながり鼻みずの分泌量が減り、知覚神経終末が減少することでくしゃみが軽減し、さらに粘膜が瘢痕化し収縮することで鼻づまりが軽減します。
術翌日以降、鼻内に痂皮(かさぶた)ができるため、数日から1週間たったところで受診していただき除去処置を行う必要があります。
おおむね術後2~3週で鼻内環境が整ってくると効果が実感できます。
医療用レーザーにもいろいろと種類がありますが、CO2レーザーは他のレーザーと比較して施術の深達度(つまり傷の深さ)が浅く侵襲性の低い治療と考えられております。
よって術後の痛みはごく軽いものです。
その他副作用、術後合併症は出血、感染が考えられますが術後出血を起こす可能性は非常に低いです。また術後感染を起こさないよう術後数日抗生剤を内服していただいております。
鼻内環境によって個人差はありますが効果は数カ月から長いと2年程度持続するとの報告もあります。ただし永続的ではないため、1年に1度は施行すべきと考えます。
1年中の大半症状が持続する方(主に通年性アレルギーをお持ちの方)やスギ、ヒノキ花粉症などの季節性アレルギーの方で症状が高度に出現する方にはよい適応です。
お子さんでも行えますが手術中動くと非常に危険であるため、それをしっかりと理解していただく必要があります。
ただし、アレルギー症状のひどい時にレーザー治療を行うとかえって症状増悪につながるため、施行時期としては比較的症状の落ち着いている時が望ましいです。
診察、手術、処方全てが保険適応となります。手術名は下甲介粘膜レーザー焼灼術(両側)で、手術のみの費用は平成24年の健康保険点数改定により3割負担の方で8730円となります。そこに診察代、処方代がかかります。
何か御質問がございましたら、医師、スタッフにお気軽にお尋ねください。
[名古屋市名東区 一社 まえはら耳鼻咽喉科]
以前、アレルギー性鼻炎に対しての御説明をいたしました。
今回は外科的治療の一つであるレーザー治療についてご説明いたします。
当院にはCO2(炭酸ガス)レーザーがございます。
レーザー治療の目的は主に鼻閉(鼻づまり)改善です。鼻みずやくしゃみに対してもある程度の効果を期待することができます。鼻のアレルギー症状を軽減する治療であり、完全に症状が無くなるわけではありません。
方法ですが、まずレーザーによる痛みを軽減するため鼻の中を麻酔します。
その麻酔方法は通常の鼻処置の後、痛み止めと血管収縮(粘膜の腫れを減らし、出血しにくくする目的)を促す薬を帯状のガーゼに含ませ、それを鼻内に挿入し薬の効果が得られるまで10~15分お待ちいただきます。この処置を繰り返しもう一度行います。
その後、ガーゼを抜去しレーザー治療に移ります。
硬性鏡という棒状の細いカメラで鼻の中を観察しながら下鼻甲介という鼻の中にある粘膜ヒダをレーザーで蒸散させます。
理論上、レーザー治療後の粘膜修復過程における粘膜の線維化がアレルギー反応を引き起こすレセプターの減少や鼻腺の減少につながり鼻みずの分泌量が減り、知覚神経終末が減少することでくしゃみが軽減し、さらに粘膜が瘢痕化し収縮することで鼻づまりが軽減します。
術翌日以降、鼻内に痂皮(かさぶた)ができるため、数日から1週間たったところで受診していただき除去処置を行う必要があります。
おおむね術後2~3週で鼻内環境が整ってくると効果が実感できます。
医療用レーザーにもいろいろと種類がありますが、CO2レーザーは他のレーザーと比較して施術の深達度(つまり傷の深さ)が浅く侵襲性の低い治療と考えられております。
よって術後の痛みはごく軽いものです。
その他副作用、術後合併症は出血、感染が考えられますが術後出血を起こす可能性は非常に低いです。また術後感染を起こさないよう術後数日抗生剤を内服していただいております。
鼻内環境によって個人差はありますが効果は数カ月から長いと2年程度持続するとの報告もあります。ただし永続的ではないため、1年に1度は施行すべきと考えます。
1年中の大半症状が持続する方(主に通年性アレルギーをお持ちの方)やスギ、ヒノキ花粉症などの季節性アレルギーの方で症状が高度に出現する方にはよい適応です。
お子さんでも行えますが手術中動くと非常に危険であるため、それをしっかりと理解していただく必要があります。
ただし、アレルギー症状のひどい時にレーザー治療を行うとかえって症状増悪につながるため、施行時期としては比較的症状の落ち着いている時が望ましいです。
診察、手術、処方全てが保険適応となります。手術名は下甲介粘膜レーザー焼灼術(両側)で、手術のみの費用は平成24年の健康保険点数改定により3割負担の方で8730円となります。そこに診察代、処方代がかかります。
何か御質問がございましたら、医師、スタッフにお気軽にお尋ねください。
[名古屋市名東区 一社 まえはら耳鼻咽喉科]